アートコミュニケーションが発行するMahoroba(まほろば)の制作日誌です。
最近「Mahoroba」1号でも紹介されていた、川端康成の『古都』を読了。舞台は千年のまほろば、京都。老舗の問屋で裕福に育てられた千重子が、生き別れた双子と出会うというあらすじですが、何より、春夏秋冬の木や花を愛でる微細な目線だとか、柳の地面に着きそうなくらいしだれ具合が京都的だとか、着物や帯の柄一つとっても、抽象だ病的だ、とかいう「古都」の美意識が楽しい。
帯の図柄の考案に、パウル・クレーの画集などを参考にする・・・というくだりにもにやりとさせられた。
普段、俳句や短歌を詠んでいて、物の見方の面白さに気付かされることが多いが、この『古都』という本の感触も、それに似ていた。
京都弁のとろりとした滑らかさが心地良い「まほろば文学」、ぜひ一度。
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